ふるさと山県市の豊かな資源を活かしたい。自分のペースで、丁寧な仕事を。/赤松麻里さんMARI工房

MARI工房の赤松麻里さんは山県市で生まれ、麻里さんの実家は創業60年の伊藤製材所。実家の家業を生かせる仕事はないだろうかと考え、大好きな山県市で暮らしながら、実家の廃材が活用出来るように工房をはじめました。麻里さんが廃材を活用して生み出したものはどんなものなのかお話をお伺いしました。

杉の木のようにのびのびと

山県市谷合にある山を少し登った静かな場所にある伊藤製材所の中に、赤松麻里さんの工房「MARI工房」があります。工房のまわりには、木材が積まれていて心地良い木の香りがふんわりと漂ってきます。MARI工房の中には、大きめのデスクとレーザー加工用の機械が整然と置かれています。デスクの上には製作中の可愛いコースターが並べてありました。

MARI工房では、主にコースター、名刺、看板を、杉材などにレーザー加工する商品の製造・販売を行っています。木は放置すると、日に焼けたり歪んだり、カビが生えたりします。そのため木材を扱う作業は実はとても手間がかかるそう。模様の彫りを深くするために何度も時間をかけてレーザー加工を施したり、加工後に出る木のヤニを丁寧にふき取ったりしていきます。例えば杉の木の場合、杉の木片は軽いので、時間が経つと反ってしまいます。木目を縦と横に貼り合わせて反りをなくして平らにしたあと、杉の木の特性を生かした製品にしていきます。

手渡された麻里さんの名刺も、木からできていました。繊細な彫りが施された、存在感のある素敵な名刺です。「色々試して失敗したりして苦労したんですけど、出来上がるとやっぱり嬉しくて。本当に楽しく仕事をしています。父からはこの名刺は名刺入れには1枚しか入らないねと言われてます」と、麻里さんは笑いました。

私は都会より田舎が好き

山県市生まれの麻里さんは、幼い頃は毎日のように友達と野山をかけ回ったり山に登ったり、たまには擦り傷を作ったりして、日が暮れるまでのびのびと遊んだそうです。高校生まで山県市で過ごし、愛知県の大学に進学しました。初めて親元を離れての一人暮らし。最初は家を出た事にワクワクしたのですが、周りが賑やかなことや、人の多さに息苦しさを感じてホームシックになったときもありました。このまま都会で就職するのは自分には向いていないと感じ、大学を卒業したら山県市に帰りたいと強く思ったそうです。

ただ、山県市での就職はなかなか難しく、麻里さんは実家の家業を生かせる仕事はないだろうかと考えはじめました。麻里さんの実家は創業64年の伊藤製材所。山県市に住めること、実家の廃材が活用出来ること、パソコンを扱えること。そんないくつかの条件が重なって、大好きな山県市で地域貢献ができれば、と今のMARI工房のアイデアを思いつきました。
レーザー加工の機械の導入や事務所の建設等、様々な面でご両親に支えてもらったそう。初期投資に金銭的プレッシャーも感じますが、機械の動かし方から手さぐりでスタートし、毎日真摯に仕事に取り組んでいます。

自分のペースで丁寧な仕事を

「ゆっくり事業を育てていきたいです。大々的に売れるより口コミで浸透していくような、自然な感じで行けたらいいのかな」と麻里さん。
「ここは静かで心が安らぎます。夜は星がとってもきれいに見えるんですよ!この場所で大好きな仕事もでき、大事な家族と一緒にいられて、多少不便でも、それが私にとって大事なんです」

生まれ育った地元に戻り、家族のそばで新しいことを始めていく決意と、地元への愛を強く感じる言葉でした。
今後は、子どもたちが喜んでくれるような木の香りのする木製パズルを製作していきたい、と笑顔を見せてくれた麻里さん。ゆっくりと着実に夢を形にしていくMARI工房の今後がとても楽しみです。

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